ロングボード 11' –

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CT第6戦『SHISEIDO Tahiti Pro』世界トップが敗れる波乱の幕開け

(ベスト16入りを決めたキングケリー)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

ミッドシーズンカット後のファーストイベントとなるCT第6戦『SHISEIDO Tahiti Pro』がウェイティングピリオド4日目の現地時間5月25日に開幕。
公式6-8ftレンジのタヒチ・チョープーでメンズ、ウィメンズ共にOpening Roundが行われ、ウィメンズは敗者復活戦となるElimination Roundまで進行した。

PHOTO: © WSL/Ed Sloane

カリッサとキングケリーが勝ち上がる

(タヒチとフィジーのワイルドカードを得たケリー)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane

ミッドシーズンカット後はメンズが36名から24名、ウィメンズが18名から12名に絞られ、Opening Roundのフォーマットも変更。
3名中の上位2名から上位1名のラウンドアップに変わり、残り2名がElimination Roundを戦うことになる。

初日は世界トップのケイトリン・シマーズ(USA)が最下位となる波乱があった一方、最強のワイルドカードと言われているヴァヒネ・フィエロ(FRA)、ルーキーのソーヤ・リンドブラッド(USA)、ツアーの伏兵ライアン・カリナン(AUS)の3名がチョープーの美しく危険なバレルに包まれて9ポイントをスコアしていた。

(メンズのハイエストとなる9.10を出したライアン・カリナン)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

また、ケリー・スレーター(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)の二人のワイルドカードがOpening Roundをクリアしていた。

ミッドシーズンカットでツアー離脱を余儀なくされたケリーだが、タヒチとフィジーのワイルドカードを得てまずはジャック・ロビンソン(AUS)、ラムジ・ブキアム(MAR)をタヒチで倒し、チャンスを活かしていた。

「今日の波はテクニックが必要だね。ストールする前にパンピングするセクションがあるから、みんなが思っているよりも深くからテイクオフが可能だった。波数が少ないので、ヒートでハイスコアを出した人が有利だよね。3本も4本も乗れるような感じではない。これから入る予想のウネリは良さそうなので、数日間の休みを楽しみ、調子を整えてから週の中盤に全力を尽くすよ。ケリー・スレーター、ヒートで勝つなんて言葉、久々に聞いたー(笑)」

タヒチで5度の最多優勝記録と2回のパーフェクトヒートを記録しているケリー。
52歳と出場している選手の多くの父親のような年齢だが、波が上がれば上がるほど勝算はある。

(カリッサ・ムーア)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

ケリーのケースと異なり、開幕戦前に引退を表明していたカリッサ。
最後の競技となるパリ五輪のウォーミングアップとしての出場でまずは幸先の良いスタートを切った。

「ワイルドカードとしてこの舞台に立てたのは本当に嬉しいし、機会を与えてくれて感謝しているわ。世界中で最も特別な波の一つであり、乗りこなすには多くの時間と敬意が必要よ。実際にすでに3週間ほど滞在して楽しんでいるし、多くのことを学んでいる。波は素晴らしい一方、恐ろしくもある。目の前の水の壁を見ると例えそれが3-4ftでも本当に威圧的なのよ。でも、そのドロップを成功させたときのあの感覚とメイクできるかどうかの狭間で踊るような感覚は最高ね。バレルを抜けた時はこれ以上ない快感なの」

親友同士の非情な勝負

(逆転のスコアを聞いたソーヤ) PHOTO: © WSL/Ed Sloane

素晴らしいバレルがあった一方、波数が少なかった初日。
最大の番狂わせは5戦中2勝でイエロージャージを着ているケイトリンがルーキーのソーヤに倒されたElimination RoundのH1ヒートだろう。

カリフォルニア出身の二人は親友でもあるが、ヒートで戦う時は敵になる。
ケイトリンがリードしながらもソーヤが最後の波で5.83を出して僅差で逆転に成功していた。

「それはずっと夢見ていた瞬間だった。実はタヒチに来るのは初めてなのよ。この波に凄い圧倒されていたけど、恐怖に飲み込まれて後悔するのは嫌だと思っていた。バレルではただ前を見て転んでも突っ込もうと自分に言い聞かせていたの」

Opening Roundでは1本しか乗れずにElimination Round行きとなったが、その1本はここまでのハイエストスコアとなる9.43。
人生最高の波だったと言わせるほどの強烈なバレルをメイクしていた。

(ケイトリンを倒してベスト8入りを決めたルーキーのソーヤ)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane

なお、ケイトリンをOpening Roundで倒したのはヴァヒネ・フィエロ。
ローカルの彼女はタヒチ戦に2年連続でワイルドカード出場、3位に入っており、今回もワイルドカードを得ている。
すでにパリ五輪での金メダル候補の筆頭で、Opening Roundで出した9.33はスコア以上に難しいバレルだった。

(目の前のシャンデリアを潜り抜けたヴァヒネ・フィエロ)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

パパ初勝利

(パパ初勝利を決めたジョン・ジョン) PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

メンズのOpening Roundではケリーとライアンの他、イーサン・ユーイング(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、イタロ・フェレイラ(BRA)、ジョーディ・スミス(RSA)、ガブリエル・メディナ(BRA)、最終ヒートでルーキーのコール・ハウシュマンド(USA)と親友のレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)を倒した五十嵐カノア(JPN)が勝ち上がり、Round of 16へ。

(ベスト16入りを決めた五十嵐カノア) PHOTO: © WSL/Ed Sloane

ジョン・ジョンは彼の基準からするとこの日はスコアが低かったが、イベントの数日前に第一子を授かり、家族が増えて最初の記念すべき勝利になった。

「本当に楽しいね。遊べる波だし、完璧なバレルもある。あのヒートは波数が少なかったけど、楽しかった。場所も人々も全て含め、地球上で最も特別な場所の一つさ。本当に美しいし、ここに戻り、素晴らしい波でサーフィンできることをとても幸運に感じている。目標は常に優勝。良いウネリが来るようなので、楽しみだよ。数年前のようにノンストップの10ftの波を望むね」

ウィメンズサイドはカリッサ、ソーヤの他、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、キャロライン・マークス(USA)、モリー・ピックラム(AUS)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、タイラー・ライト(AUS)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)がQF進出を決めた。

ネクストコールは現地時間5月26日の朝7時15分(日本時間5月27日深夜2時15分)
次のウネリは現地時間5月29日の予想。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

引用元
CT第6戦『SHISEIDO Tahiti Pro』世界トップが敗れる波乱の幕開け

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