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世界を目指す、すももとみらい。自分の全てを受け入れてリスタート。池田美来&佐藤李の舞台裏インタビュー

ROXY channelで人気シリーズの一つ「THE GIRLS」。ROXYジュニア選手たちの大会での日々を追ったこのシリーズも第3弾。

 

制作を手掛ける映画監督の清野正孝氏は、大会だけでなくコンペティターとしての喜びや結果を求められることへの苦悩などもエピソード化。彼女たちの揺れ動く心や感動を丁寧に表現している。

 

今回の舞台は千葉県の南房総市の千歳ポイント。WSLプロジュニアの最終戦が行われ、年間ランキングがこれで決まる。ここで上位2名に入れば、今年度のジュニア世界一を決定するWJC( World Junior championships )のアジア代表になれるという大事な一戦だ。

 

今回も第2弾「御前崎」編からの続きで、池田美来と佐藤李を中心にROXYライダー(鈴木莉珠、登坂祐妃、松野杏莉)の挑戦でストーリーは進行。そこにアジア代表に王手をかける都築虹帆の熱い戦いが絡む構成となっている。

 

さて、そこで待っていた結末は?誰もが予想していなかった結果に、ROXYライダーである彼女たちの交錯する想いは?最後までどうなるかわからない「南房総」編は、下記のリンクからどうぞ!

 

 

 

 

池田美来と佐藤李の舞台裏。

 

取材、撮影:山本貞彦

 

ここでは映像に収まらなかった池田美来と佐藤李の舞台裏を掲載。WSLのQSツアーは2023年の3月まで続くものの、彼女たちが走り抜けて来た一年の想いをお届けします。

 

地元である御前崎の大会を通して学んだことを胸に、新たな想いで挑んだ南房総プロジュニア。前回のプロジュニアの結果は、佐藤が決勝に進んで4位。池田はクォーターファイナルで敗退して、9位という成績だった。

 

そして、今回のWSLの南房総の大会について。まず佐藤李(7位)に率直な感想を聞いた。

 

 

佐藤李

 

 

「駆け引きよりも自分のサーフィンをやって勝ちたい。」佐藤李

 

 

佐藤「南房総の千歳があるって決まって。私はここに何回かしか入ったことなかったので、(大会は)楽しみでした。もちろん、優勝が目標でした。前回のプロジュニアの反省から波キャッチを一番に考えて、練習していましたし。

 

結果は南房総に関しては自分的には60点ぐらいです。その理由は、まずR-1は小波で風も入っていて、小さくて難しかったんです。

 

この時は頑張って乗るようにして。前みたいに固まるってことはなかったんですけど、プライオリティの使い方が少し良くなくて。試合が終わって冷静になって振り返ると、駄目だったなって。

 

残り1分で自分の方がプライオリティがあった時に、動くのは意識していたんですけど。自分より下の人をブロックするっていう行動に出るというのが、まだ慣れていなくて。

 

やはり(自分が)良いライディングをして、点数を伸ばしたいと思っちゃうんですよね。それでプライオリティを無くしたというのがあったので、そこが今回の反省点でした。

 

 

佐藤は複雑な想いも吐露。「戦うなら、正々堂々と戦いたい。駆け引きよりも自分のサーフィンをやって勝ちたい」という想いが強いと言う。自分のサーフィンで勝つことができるなら、それが理想だと。

 

 

池田美来は決勝に上がり、3位と言う成績。前回の雪辱を晴らした南房総での戦いをこう分析してくれた。そして、チームメイトの都築虹帆の命運を自分が握っていることに関してはどう思っていたのだろうか?

 

 

 

 

池田美来

 

「守りに入らないで、攻めたサーフィンをする。」池田美来

 

 

池田「南房総自体はプレッシャーを感じずにできましたね。前回の反省点だった “守りに入らないで、攻めたサーフィンをする” ことに集中できたと思います。

 

自分は今回のWJCに行けるランキングでは無かったですし、虹帆にWJC行って欲しいという思いはありました。でも、虹帆への援護射撃とかという意識までは無かったです。

 

同じROXYで李と虹帆は一番身近にいる友達なんですけど。もちろん、友達のためにというのもあるんですけど、そこは試合は勝ち負けですから。その結果、行けなかったとしても、それは仕方ないことですし。

 

もちろん、虹帆のことも考えましたけど、自分のベストのサーフィンを決勝で見せようって、割り切った感じでした。みんな言ってたんですよ。もう(結果が)どうなっても、割り切ってやろうって。ベストを尽くそうって。自分のやるべきことをやる。それだけに集中していました。」

 

 

その結果、池田は優勝こそできなかったものの、3位入賞と前回大会からのジャンプアップという成績を残した。馬庭彩が4位になったことで、都築は年間ランキング2位を確保。2022年のWJCへの出場権を手にすることとなった。

 

そして、今シーズンは国内だけでなく、海外の試合にも多く出場した2人。

 

佐藤の結果で大きな注目を集めたのが、6月に行われたWSLのインドネシアのQS5000の大会。クルイで5位、ニアスで9位という成績を収めた。環境が大きく違う異国で、波のサイズも大きかったこの試合はどうだったのか?海外で感じたものは何だったのだろうか?

 

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佐藤李@ニアス WSL / Federico Vanno / Liquid Barrel

 

 

攻める姿勢が足りないと思い知らされた。

 

 

佐藤「今年は試合にたくさん出ましたね。結果全体を振り返ると ”うーん” という感じですけど。実は海外の試合は初めてでした。小さい頃にハワイでHSAには2回だけ出たことあるんですけど。こうやって選手としてちゃんと回るようになって、WSLで海外行ったのは初めてでした。

 

インドネシアの試合はそれこそ勝ちのパターンとか、それこそ作戦とかに繋がってくるかもしれないですけど。絶対波が来るって、待っていれば、絶対に波に乗れるっていう自信がありました。良い波に乗れば、それなりのターンができるわけだからっていうのもありました。

 

 

佐藤李@クルイ WSL / Tim Hain

 

あと波がすごく大きくて。今、相手がどこにいるのか。ハマっているのか、沖にいるのかすらわからないような、結構ジャンクのコンデイションだったりしたので。ブロックするとか、プライオリティのやり取りとかは、あまり無くて。そういうのが無かったことも、勝てた要因なのかなって。あと、まだまだですけど、バックサイドは前よりは行けるようになったと思います。

 

今年、海外を廻れて世界でいろんな選手を見れたのが良かったです。クルイとかニアスで本当に強く思ったことは、やはり、(他国の選手は)サーフィンの攻める姿勢が違うということ。

 

 

佐藤李@ニアス WSL / Federico Vanno / Liquid Barrel

 

インドネシアに限った話だと、クルイで優勝したSophie McCulloch(AUS)は、潮が引いて浅くなった中でも、大きくて掘れ掘れの波で、エグいところに当てていて。コケるんですけど。それを何回もチャレンジするのを見た時に、すごいカッコイイと思ったと同時に、自分はまだまだだなって。攻める姿勢が足りないと思い知らされました。」

 

 

池田の今年のベストリザルトはエルサルバドルで開催されたISAのジュニア世界大会。池田はここでU-16クラスで3位の銅メダルを獲得した。唯一、振り返ってみて自分の理想とする戦い方ができた言う。今年、国内、海外での大会に参戦して何を感じたのか?

 

 

池田美来@エルサルバドル Photo: ISA / Jersson Barboza

 

 

試合経験自体が足りなかったんだと改めて思った。

 

池田「今年は試合にめっちゃ出ましたね。今まではNSAとJPSAしか出ていませんでしたから。海外も含めてこんなに多くの大会に出たのは、初めてでした。そこで感じたのは、自分は全然、試合慣れしていないんだということ。

 

やはり、試合を経験することで、ここの状況だったらこうすべきだったとか蓄積していくんでしょうけど。そういう試合経験自体が、足りなかったんだと改めて思いました。

 

それでも、状況に応じて変えること、臨機応変にできたら良いなと、毎回、毎試合、自分なりにやっていたんですけど。でも、あまり結果は出なかったですね。こうしておけばということばかりでした。

 

池田美来@ニアス WSL / Tim Hain

 

やはり、今回思ったのは、自分にとって海外の経験はすごく大きかったということ。初めて行ったところも多かったし。特に印象に残っているのは、海外でそこの地域の若い子たちのサーフィンの上手さでした。同じ年代の子でもすごく上手いんですよ。どこのポイントに入っても、レベルが高いなって思いました。

 

大会も勉強になりました。海外の選手が試合の中で、どんな波に乗るのか。どの波に乗った人が勝っているのかとか。あとスコアが高い人はどんなライディングをしているのかとか。そういうのを見ていると、勝つ人はこういう波に乗って、こういうサーフィンするから勝てるんだということを、試合の中で学びました。

 

世界で勝つためには、試合では事前の戦略が必要だということ。それと他の選手に比べて自分はライディングが小さいんですよね。だから、ライディングのパワーももっと必要だと感じました。」

 

 

そして、最後に。それぞれが思う来年に向けてやるべきこととを改めて聞いた。

 

 

 

佐藤李

 

50%の力しか出せなくても勝てる実力をつける。

佐藤「今、思っていること。来年シーズンとかに向けて、今も意識してることは、自分のパーセンテージを上げることです。自分は “緊張しい” じゃないですか。練習より本番の方が良い結果出せないのは、みんな一緒かもしれないですけど、それが私は極端なので。

 

もう(試合では)練習通りに絶対にいかないので。その時々で、冷静になる練習はしているんですけど、緊張しないことは、やはり無理じゃないですか。今の自分はそれが、なかなか変えられないと思うんですよね。

 

だから緊張して50%の力しか出せなくても勝てる実力をつける。というのが、私の今の目標です。難しいけど、何とかそこを底上げしていきたいです。」

 

 

 

 

池田美来

 

再来年のCSに入れる成績を出したいです。

 

池田「来シーズンはまず最低限として、今年よりも成長できること。今年よりも成績を残すことですね。それプラス、私が出している目標としてはQSで活躍できる。活躍できるというのは、セミファイナル以上まで残ること。そして、1つぐらい優勝することです。来年はQSでしっかり絶対に結果を残して、再来年のCSに入れる成績を出したいです。

 

そのためにはハワイとかカリフォルニアに行って、修行しに行こうと思っています。来年は海外での経験をもっと増やすことが最優先ですね。」

 

 

海外の大会や地元の御前崎で戦ったことが、彼女たちのサーフィンを大きく変えた。今の自分の実力を知ること。世界へ向けて何が足りないのか、改めて知ることができた。自分の全てを受け入れることからのリスタート。ここで学んだことが大きな成果につながることを信じて。

 

Go!Sumomo!

Go!Mirai!

 

ROXY channel https://www.youtube.com/@ROXYchannel

 

池田 美来 (イケダ ミライ):MIRAI IKEDA
@miraiikeda1107

●年齢:15歳
●出身地:静岡県
●ホームポイント:御前崎ロングビーチ
●スタンス:レギュラー
●所属支部:プロ
●スポンサー:ROXY、OIMOYA、SMACsurfboard、White buffalo、静岡スバル自動車、Ronin eyewear、Surfstadium Japan、kobapen、Smile Home

●主な戦歴:2022JPSA/千葉一宮13位、新島 7位、茨城 3位 (ベストライディング賞)、千葉鴨川 5位、宮崎日向 9位:2022年ランキング 7位
2022ISA/ エルサルバドル U-16 3位
2022NSA/Jr 千葉千倉 5位WSL/千葉一宮 5位、インドネシア二アス 25位、静岡御前崎 5位、台湾 17位:現在ASIA ランキング15位
2022WSL Jr/千葉一宮 5位、インドネシア二アス 13位、静岡御前崎 9位、千葉南房総 3位: 2022年ASIAランキング 7位

 

 

佐藤 李(サトウ スモモ):SUMOMO SATO
@sumomo_sato
●年齢:17歳
●出身地:静岡県
●ホームポイント:御前崎
●スタンス:レギュラー
●所属支部: プロ
●スポンサー:ROXY、チャート株式会社、Pagurus Nature&Camp Kashima 、サーフスタジアムジャパン、FCS

●主な戦歴:2022JPSA/千葉一宮 21位、新島 17位、茨城 7位、千葉鴨川 13位:2022年ランキング 13位
2022NSA/Jr 千葉千倉 4位
2022WSL/千葉一宮 25位、インドネシアクルイ 5位、インドネシア二アス 13位、静岡御前崎 13位、フィリピン 3位、台湾 25位:現在 ASIA ランキング 4位
2022WSL Jr/千葉一宮 13位、インドネシアクルイ 9位、インドネシア二アス 13位、静岡御前崎 4位、千葉南房総 7位:2022年ASIAランキング 10位

引用元
世界を目指す、すももとみらい。自分の全てを受け入れてリスタート。池田美来&佐藤李の舞台裏インタビュー

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