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掟やぶりのサーフボードチューニングのススメ – surfnews.jp(GoogleNewsより)
掟やぶりのサーフボードチューニングのススメ surfnews.jp
サーフィンが町を変える。北海道・厚真町が挑むスポーツを軸にした地域活性化とは。プロサーファー大村奈央が見た、浜厚真の可能性

これまで一般的には「サーフィン」というイメージが強くなかった北海道。しかし近年、浜厚真を舞台にJPSAのS.LEAGUEツアー戦や、NSA公認AAAグレードの大会が開催されるなど、北海道のサーフィンが全国から注目を集めている。

一昔前には函館エリアでもJPSAイベントが開催された歴史があり、北海道の海には確かなサーフィンの土壌が存在していた。そして現在、浜厚真では競技大会だけではなく、サーフィンを地域の文化として育て、町の新たな可能性につなげようという動きが進んでいる。

その取り組みにプロサーファーとして関わっているのが大村奈央だ。
湘南を拠点に数多くの大会を世界中で経験し、現在は日本サーフィン連盟の副理事や、世界を目指す若いトッププロのコーチとしても活動する大村が、なぜ北海道・厚真町と関わることになったのか。そして、実際に浜厚真に足を運び、地域の人々と交流する中で何を感じたのか。話を聞いた。

突然始まった、厚真町とのつながり
大村が厚真町から声をかけられたのは、2025年のS.LEAGUE開催を前にした頃だった。
もともと厚真町との接点があったわけではない。大村が使用するJRサーフボードを取り扱うショップが厚真町にあり、そこから「サーフィンに関わる人材を」という話がつながったことがきっかけだった。
大村は厚真町と「副業型地域活性化起業人」として契約。プロサーファーとして競技に携わるだけではなく、地域のサーフィン振興という新しい役割を担うことになった。
「行政とこんなにがっつり仕事をするのは初めてでした。でも、不安よりも、いろいろ勉強できそうという楽しみの方が大きかった」
これまで世界レベルの大会や海外でのサーフィンを経験してきた大村にとって、行政とともに地域の未来を考えることは、新たな学びでもあった。

「北の湘南」と呼ばれる浜厚真。その魅力とは?
実際に浜厚真を訪れて、大村がまず感じたのは、想像以上に多くのサーファーが海に集まっていることだった。
札幌などからも多くのサーファーが訪れ、浜厚真にはすでにサーフィンを楽しむ人たちのコミュニティが存在している。
さらに大村が注目したのが、海のコンディションだ。
ビーチブレイクながら、比較的安定して三角波が割れ、幅広いレベルのサーファーが楽しめる。北海道というと雪やスキーのイメージが強いが、札幌周辺では冬は雪山、春から秋は海という「スノー&サーフ」のライフスタイルも生まれている。
そして何より印象に残ったのが、町の明るさだった。
湘南で生まれ育った大村の目には、地方の町にありがちな閉塞感がなく、移住や子育て支援にも力を入れる厚真町の環境が魅力的に映った。
「豊かな自然、穏やかな時間が流れている、いい意味で田舎なんですけど、明るいんですよね。寂れていないというか。町としての雰囲気がすごくいい」
浜厚真は、単に波がある場所ではない。海と町、人が一体となった地域としての可能性を、大村は感じ始めていた。
「サーフィンを文化にする」ということ

大村が今回の活動を通じて最も強く感じたのは、地域とサーフィンの関係だった。
これまで世界のサーフィンを見てきた大村だからこそ、「スター選手を育てること」だけではサーフィン文化は広がらないと考える。
「地域でサーフィンをどう扱うか、どう大切にするかというのが、サーフィンを文化にする上ですごく大事なんだと感じました」
厚真町では行政もサーフィンを地域の可能性の一つとして捉え、競技大会の開催だけではなく、子どもたちへのサーフィン教育や地域との交流など、さまざまな形でサーフィンとの接点をつくっている。
環境が整っているからこそ、新しくサーフィンを始める人が生まれる。
そして、地域の中にサーフィンが根付けば、長くサーフィンを続ける人も増えていく。
「サーフィンを始める環境も必要だし、サーフィンのイメージが悪くならないことも大切。裾野を広げて、長く大切にしてもらうには、地域とサーフィンの関係は本当に大事」
大村にとって浜厚真での活動は、サーフィンの普及活動というだけではなく、サーフィン文化が地域の中でどのように育っていくのかを実感する機会になっている。
プロサーファーとして、北海道の選手を引き上げる


大村が現場で力を入れているのが、北海道のサーファーたちへのコーチングだ。
チャレンジャーシリーズや厚真町長杯では、北海道支部の選手を中心に、子どもから大人まで幅広い世代を指導した。

北海道では、トッププロから直接コーチングを受ける機会が本州に比べて限られている。だからこそ、大村は「まず今いるサーファーのレベルを上げること」を目標に掲げる。
実際に、コーチングを受けた選手からは「もっとこうすればいいんだと分かった」「次の大会が楽しみになった」といった声も聞かれた。
大村が目指しているのは、一部のトップ選手だけを引き上げることではない。
北海道全体の競技レベルが上がれば、その下の世代にも刺激が伝わる。そして大会に挑戦する人が増え、サーフィンを続ける理由も生まれる。

「サーファーの人数を増やすことも、裾野を広げることも大事。でも、サーフィンから離れないようにすることも同じくらい大事」
それは、競技の強化とサーフィンの普及を別々に考えない、大村ならではの視点だ。
大会を開催するだけでは、文化にはならない
浜厚真では、初心者や中級者が参加しやすいチャレンジャーシリーズから、全国から選手が集まるNSA公認の厚真町長杯まで、段階的に挑戦できる環境づくりが進んでいる。
大村もその現場に入り、運営や選手へのコーチングを通して、北海道のサーフィンを支えている。
特に印象的だったのが、北海道支部が「大会の質」を非常に重視していることだという。
全国から選手が北海道まで足を運ぶ以上、全国基準のジャッジや運営環境を整え、「また来たい」と思ってもらえる大会にする。

その積み重ねが、北海道の選手にとっても「北海道にいながら全国レベルの環境で挑戦できる」ことにつながる。
大村が感じたのは、北海道のサーフィンが単に大会数を増やそうとしているのではなく、選手、運営、そして地域全体を含めて、サーフィンの土台そのものをつくろうとしている姿だった。
サーフィンが町を変える。その先にあるもの
厚真町が目指しているのは、単純な「サーフィンの町」ではない。
農業、自然、歴史、震災からの復興、そして海。
その中にある一つの可能性としてサーフィンを捉え、そこから人が集まり、人と人がつながり、新しい挑戦が生まれていく。
大村奈央が浜厚真で感じたのも、まさにその可能性だった。
プロサーファーとして世界を目指してきたからこそ分かる競技の世界。しかし、地域でサーフィンを育てる現場に立ったことで、サーフィンが持つもう一つの力に気づいた。
それは、海を通じて人をつなぎ、地域に新しい価値を生み出す力だ。
「世界に出てスター選手をつくることも大事。でも、地域で環境が整っていないと、そもそも始めることも難しい」
浜厚真で始まった取り組みは、まだ発展の途中にある。
しかし、そこにはすでに海に通うサーファーがいて、競技に挑戦する子どもたちがいて、大会を支える人たちがいる。そして、地域とサーフィンの未来をつなぐ存在として、大村奈央も加わった。
サーフィンが町を変える。
その答えは、単にサーファーを増やすことでも、大きな大会を開催することでもない。
海を大切にする人が増え、サーフィンを始める人が増え、挑戦する人が生まれ、その姿を見た次の世代がまた海へ向かう。
そんな循環が生まれたとき、サーフィンは「スポーツ」から「文化」へと変わっていく。
北海道・厚真町。
浜厚真の海では今、その未来に向けた新しい波が、静かに、しかし確実に立ち上がっている。

サーフィンを「地域の未来」につなげる浜厚真の取り組み
大村奈央が浜厚真のサーフィンを盛り上げる活動に関わる中で、現地の行政やNSA北海道支部にも話を聞いた。
そこから見えてきたのは、浜厚真で行われているサーフィン大会が、単なる競技イベントではないということだった。
厚真町では、浜厚真を含む海岸部を「臨海ゾーン」と位置づけ、サーフィンを地域の可能性の一つとして捉えている。JPSAやNSAの大会も、単に競技大会として支援するのではなく、企業版ふるさと納税などを活用した官民連携によって、地域活性化につなげる取り組みとして開催されている。
町長杯では、大会に加えて地域の事業者や住民、町外から訪れる人たちが交流する「meetupイベント」も行い、サーフィンをきっかけに人と人がつながる場をつくっている。
「厚真町から世界に挑戦できる」という環境
行政が期待するのは、観光客や経済効果だけではない。
厚真町では小学校でのサーフィン授業が9年間続き、町の子どもたちが全国、そして世界へ挑戦する姿も生まれている。「厚真町から世界に挑戦できる」という環境が、子どもたちの新たな可能性や挑戦する気持ちにつながっている。
一方、NSA北海道支部は、北海道でも全国と同じ環境で選手が挑戦できる土壌づくりを進めている。
厚真町長杯がNSA公認大会となったことで、全国から選手が集まるようになった。だからこそ、全国基準のジャッジや大会運営を整え、「また北海道の大会に出たい」と思ってもらえる大会品質を目指している。
さらに、選手だけでなく、ジャッジや運営スタッフも「チャレンジャー」として成長できる場をつくる。大会を開催することそのものをゴールとせず、そこから選手、スタッフ、地域の人々がともに成長し、新しい挑戦が生まれることを目指している。
行政とNSA北海道支部に共通するのは、「サーフィンの町をつくる」ことが目的ではないという考え方だ。
サーフィンを入口に人が集まり、人と人がつながり、新しい文化や挑戦が生まれる。そして、訪れた人が「また来たい」、関わった人が「もっと関わりたい」、暮らす人が「ここで暮らしていてよかった」と思える地域へ。
大村奈央が浜厚真で取り組む活動の背景には、そんなサーフィンを通じた地域の未来づくりがある。
引用元
サーフィンが町を変える。北海道・厚真町が挑むスポーツを軸にした地域活性化とは。プロサーファー大村奈央が見た、浜厚真の可能性


