ウェットスーツ – おすすめのセミドライウェットスーツ!【Fellowのハイエンドモデル】は作りがすごいのに安い!

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おすすめのセミドライウェットスーツ!【Fellowのハイエンドモデル】は作りがすごいのに安い!





商品名:ウェットスーツ素材 カーシートカバー 防水シートカバー 防塵 汚れ防止 前席シートカバー 軽/普通車適用 フロント 汎用 シート保護 1枚 ブラック
ショップ:ハッピータウン24

詳細:【防水生地】ウェットスーツなどに使用されるネオプレーン素材で水や汚れに強く、耐久性抜群!水や泥汚れから座席を守ります。裏側はゴム素材で滑りにくく、フィット感抜群です。【色々な使い方】サーフィン、海水浴、釣り、アウトドア、農作業などで水や汗で濡れたり、泥や砂で汚れたりしていてもそのまま座れます!ペット

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稲葉玲王「フィリッペびびってた」「板が2インチ長ければ」田中樹、英義の両コーチとパリ五輪秘話!

フィリッペ・トレド戦で、先手を奪った1本目のバレル Photo: ISA/Beatriz Ryder

パリ五輪サーフィン日本代表の稲葉玲王と、波乗りジャパンの田中樹コーチ、田中英義コーチの3人が3月下旬、千葉県一宮町主催の講演会に登壇し、五輪の舞台裏や世界王者フィリッペ・トレド(ブラジル)とマッチアップした際の戦略や、波乗りジャパンのチーム内の雰囲気、日本と海外選手との差など、「今だから言える」話を赤裸々に語った。

一宮町は毎年、教育講演会を開催しているが、サーフィン関連は初めて。例年よりたくさんの子供たちが詰めかけ、稲葉選手の大会やサーフィンに賭ける思い、心構えについて熱心に質問した。

稲葉選手をキッズ時代から知る樹コーチ、英義コーチとともに展開されたパネルトーク「波に乗れ!!」の概要は以下の通り(敬称略)。

約70人の聴衆が訪れた講演会 Photo:Chiaki Sawada
  1. 日本になかったサーフコーチという仕事
    1. ―サーフィンを始めたきっかけ
    2. ー五輪の日本代表になって
  2. タヒチの波チェックは20分だけ!
    1. ー五輪までの準備は
    2. -五輪会場の緊張感は
  3. 選手は互いにリスペクト
    1. ー波乗りジャパンの雰囲気は
  4. 「ビビるフィリッペにプレッシャーかけた」
    1. ーラウンド3フィリッペ戦での戦略は
  5. 「6’2″ならあの波メイクできた」
    1. ー結果は5位タイ。得たものは
  6. 「魔のような7分間」
    1. ー稲葉選手が成長した点は
  7. 16歳で出る世界との差…殻をぶっ壊せ
    1. ー世界と日本とのサーフィンレベルの違いは
  8. 波乗り道場の矜持を
    1. ー一宮町が目指す世界サーフィン保護区について
  9. Sリーグ初代年間チャンプへの戦い
    1. ー4月に一宮町でSリーグのグランドファイナル
  10. 「慣れない環境に身を置こう」
  11. 日本になかったサーフコーチという仕事
    1. ―サーフィンを始めたきっかけ
    2. ー五輪の日本代表になって
  12. タヒチの波チェックは20分だけ!
    1. ー五輪までの準備は
    2. -五輪会場の緊張感は
  13. 選手は互いにリスペクト
    1. ー波乗りジャパンの雰囲気は
  14. 「ビビるフィリッペにプレッシャーかけた」
    1. ーラウンド3フィリッペ戦での戦略は
  15. 「6’2″ならあの波メイクできた」
    1. ー結果は5位タイ。得たものは
  16. 「魔のような7分間」
    1. ー稲葉選手が成長した点は
  17. 16歳で出る世界との差…殻をぶっ壊せ
    1. ー世界と日本とのサーフィンレベルの違いは
  18. 波乗り道場の矜持を
    1. ー一宮町が目指す世界サーフィン保護区について
  19. Sリーグ初代年間チャンプへの戦い
    1. ー4月に一宮町でSリーグのグランドファイナル
  20. 「慣れない環境に身を置こう」

日本になかったサーフコーチという仕事

―サーフィンを始めたきっかけ

稲葉:父親がプロサーファーで、両親が一宮でサーフショップをやってたんで、まあほんとに自然な流れというか、無理やりというか、始めた。 一番最初に乗ったサーフボードは英義君からいただいた中古の板。

英義:自分の父親が玲王にプレゼントして。

樹:サーフィンで日本のチャンピオン、僕は1度だけなって。当時、日本のサーフカルチャーにコーチっていう仕事がなかった。15年前ぐらいから、少しずつ独学で始めて、今こういう経緯になった。

町職員の山口裕之さん(左)含め旧知の仲の4人が登壇した Photo:Chiaki Sawada

ー五輪の日本代表になって

稲葉:あんまり実感はなかったですけど、いろんな人からの応援の声、メッセージが、今まで本当にないぐらいのたくさんの量で、やっぱ嬉しかった。でも、オリンピックという世界が未知過ぎて、モチベーションの持って行き方が、少しわからなかった。

樹:率直に、自分がコーチし始めて、個人コーチとして結構長かった中で、自分が育ててきた選手がオリンピックの選手になるって、自分の誇りでもありますし、自分がやってきたことが間違いじゃなかったっていうのを確信できた時だったので、すごく嬉しかった。とともに、選ばれることが目標ではないので、短い2年の間で、どれだけ詰めていけるか。世界トップの選手が集まるタヒチの波で、どれだけできるかっていう準備を考えることでいっぱいだったという記憶がある。

英義:どうやってメダルを取るか考えていた?

樹:そうですね、一宮町で行われた東京オリンピックとは環境も波も違う。逆に僕は、一宮でやるよりタヒチでやる方が、稲葉選手のメダル取れる可能性は高いと思ったんで。すごくチャンスかなって思ってた。

タヒチの波チェックは20分だけ!

ー五輪までの準備は

樹:まず回数を重ねることが一番重要だと思ったんで、通ってもらうこと。地元の選手に勝つには、みんなと同じ段階の回数までやらしたいなって思ったんで、いろんな波をやってくれと言った。メンタルはそこでやってるうちに自分の中で作り上げていけると思った。

稲葉:体作りもすごく大事で、波がすごく大きいので、あんまり小さい体だと、あの波にやられてしまう。できるだけ体をでかくしたり、パワーアップさせていく。メンタル面はあんまり考えないようにした。とにかくタヒチで経験を積んで、どれだけその海で安心感を持って試合に臨めるかっていうのをやった。

パリ五輪の試合での稲葉と田中樹コーチ Photo: ISA/Beatriz Ryder

-五輪会場の緊張感は

稲葉:選手全員が格上なんで、CT選手とか。そういう今まで対戦したことない相手と戦えるっていう緊張感はあった。

英義:オリンピックだから制約が多い。海に入るまでとか。

樹:波を見る順番が決まってて。普通の大会だったら、海岸に行って自由に目の前の海を見られる。でも、タヒチは船の上からで、行く順番も自分の出番前じゃないと行けなくて、チェックできる時間も20分ぐらいしかなかった。

英義:波チェックってすごいサーフィンの大会で重要。五十嵐カノア選手とか3時間くらい波を見ているという話をしてたけど、それが20分しかできない。

樹:そうです。だから、ジャパンハウスっていう日本のベースでライブ放送を見て、表面的な波のチェックだけをして、サーフボード決めて現場に行って。波の裏側に1人フィールドコーチがいるんで、連携とりながら、20分で「よし、これで行こう」っていうのを決めるっていう、ちょっと普通の試合とは違う緊張感はもちろんあった。

選手は互いにリスペクト

ー波乗りジャパンの雰囲気は

稲葉:コナー・オレアリー、五十嵐カノアはCTでずっと何年も戦ってる選手なんで、やっぱそういうメンバーと一緒にできたのは、良い刺激にもなったし、コナーは小さい頃から知ってるんで、波の乗り方とかポジションの取り方とかも、すごくよく教えてくれたんで、良い経験でしたし、本当に感謝もある。チームとしては、サポートがしっかりあったと思うんで、良い雰囲気で挑めた。

樹:選手同士はすごく良い感じで、お互いをリスペクトし合ってすごく良い関係を築けてたかなというのは感じた。オフの時はみんなでゴルフやったり、ビーチで泳いだり、リラックスした時間を過ごした。夜は決まって同じ場所でみんなで机囲みながら、その日のサーフィンの話だったり意見交換して。2週間3週間一緒に過ごし、有意義な時間だった。サポート的な部分では、まだまだもっと良くしていかなきゃいけないなっていう反省点も含めて、ロスに向けて頑張っていきたい。

「ビビるフィリッペにプレッシャーかけた」

フィリッペに勝利した稲葉のバレル Photo: ISA/Beatriz Ryder

ーラウンド3フィリッペ戦での戦略は

稲葉:フィリッペ・トレドはCTの2年連続(2022、23年)世界チャンピオンで、普段だったら絶対勝てないような、ほんとに格上の選手なんですけど、タヒチの波は割とフィリッペは苦手っていうのは、なんとなくわかってたので、まあこの波だったら勝てるなっていう自信はすごいあって。で、あとは試合の展開として、フィリッペはバックサイドで、チューブの時に(自分のようなグーフィーフッターで)フロントの選手のほうが奥から攻められる、波の奥から攻められるっていう…。

英義:バックサイドだと波に背を向けてるんで、波が見にくいってのもあるし、チューブライディングするのってちょっと難しいよね、バックサイドって。

稲葉:フロントのほうが有利っていうわけではないんですけど、波に乗る時、波を取りに行きやすい。樹君と話し合って最初は絶対奥を取ろうっていう話で。普通の試合だったら、フィリッペ選手が絶対奥に来て波の取り合いになるんですけど、そこはちょっと諦めじゃないけど、ビビってる部分もフィリペにあって、奥を譲ってくれたんで、そこで1本目絶対1番でかいのに来たらいこうっていう風に思ってたんで、そこでプレッシャーかけれたのがすごい良かったかなと思う。

タヒチでの五輪ラウンド1でバレルインする稲葉 Photo: ISA/Beatriz Ryder

樹:戦略はポジション的に奥を取る。奥を取ることによって1本目に良い波にいけるっていう基本的な作戦だった。奥を譲らないで乗れないところまで行っちゃうぐらいの、ポジション争いみたいなことも他のヒートではあった。そこはとことん付き合っていいよと言ってた。まず1本目行くことがすごい大事だっていうところを重点的に説明して。波がその時、どんどん上がってきてた。でかくなってるうちに1本目でかいのにいくことで、すごく向こうにプレッシャーをかけられるなと思って作戦を立てた。すごく良いタイミングで、フィリッペ選手に先行できた。

英義:奥を取るっていうのは、1つの波を奥から乗った者が優先権を得るので、最初に1本目を取ると、優先権が自分に回ってくる順番も1つ増えるので、先手を取るっていうのが大事。

「6’2″ならあの波メイクできた」

樹:今だから言えるけど、その時に僕が1つだけ、ゴリ押ししていけば良かったのは、稲葉選手の1本目、抜けられなかった。板が2インチ短かった。 波が上がる状況の極どい時間帯だったから、6’0″、183cmの板で行ったけど、185cm、もう2インチ長い板でやってれば、もしかしたらあの波メイクできたかもしれない。テイクオフの時点で少し遅れた。波の分厚さと、入り込むタイミングが少し遅れたんで。そういうところも自分が我慢させて「これで行け」って言えば良かったかなとか、反省はある。

英義:僕も見ていて、ちょっと板短いかなって一瞬思った。

稲葉に破れたフィリッペ Photo: ISA/Pablo Jimenez

ー結果は5位タイ。得たものは

稲葉:メダルが見えてたし、メダルを取りに行くつもりでオリンピックに臨んでたんで、本当にすごい悔しい。本当に悔いが残ったなって思う。学んだことは、サーフィンって、その土地によって色んな波があるんで、やっぱ現地に行ってその波に慣れるっていうことが一番大事で、その大事さを更に痛感した。特にああいう波になると経験が一番大事になってくるんで、本当にそこに時間を置く大切さは実感した。

「魔のような7分間」

樹:ワールドツアー回ってる選手でも、感情を露わにする部分が感じられた。ワールドツアーで負けた時以上に悔しがってる選手を見て、やっぱ4年に1度の重さというものがすごく感じられたんで、そこを目指すために4年間どういう風に過ごしてどう準備するのかっていうのが、改めて必要だなと感じた大会だったな。稲葉選手の5位という結果。(QFで勝利に必要だったのは)3点ぐらいの点数。残り7分で必要な3点が、なかなか出せないあの歯痒さ。自分は海の中で何もできない状況、波も来ない。フィールドコーチが一生懸命波を教えてたんですけど、なかなか掴めないっていう、あの魔のような7分間は今も思い出したくない。その状況にならないように何ができたか、また改めて考えて、次に繋げたい。

ー稲葉選手が成長した点は

樹:社交性がちょっと増したなって(笑)。やっぱこういう立場になって人間的に、急にこの4年ぐらいで大人になったなってのはすごく感じた。そういう風にしていかないと、自分の為にならないし、サーフィン界の為にもならないし、地元の一宮町の為にもならないっていうことを勉強して、すごく大人になった。あと、4年に1度の準備の大切さっていうところも含めて真剣に波と向き合う時間が増えたんじゃないかな。現役終わってもすごく大事になってくる部分。参加させていただいたことは良かったんじゃないかなと思って見ていた。

16歳で出る世界との差…殻をぶっ壊せ

和やかな雰囲気でトークする2人 Photo:Chiaki Sawada

ー世界と日本とのサーフィンレベルの違いは

樹:キッズやジュニアの年代は、世界と比べて変わらない、レベル的には。でも、現状、日本人の選手がトップリーグに何人いるのかって話になると、少ない。こういうことを僕が言うのは何ですけど、やっぱ経費というか、サポート面的なお金。サーフィンってすごくお金かかるんで、国がバックアップしたり、いろんなところがバックアップしてくれると、より世界との距離も縮められるのかな。経験をいっぱい積ませてあげられるのかな。そこが叶えば、常時オリンピックでメダル取るとか、トップツアーで回るっていうポテンシャルはすごく日本人ってあると思う。身体能力も高い選手多いし、頭ももちろんいいし。チャンスはあるんで。全部経験。海外の経験をもっとできればいいのかなと思う。

稲葉:子供の頃、小中学生ぐらいまでは世界とのレベルの差ってほぼなくて、むしろ日本人のほうがうまい子多いんじゃないかなっていう感じなんだけど、高校生16歳ぐらいになると、急にいきなり差が出てきたりし始める。理由って何なんだろうっていつも考える。わかんないんけど、自分が思うのは、外国人って、アニマルというか、野獣みたいな。もう何でも100%でやるぞみたいな。やっぱハングリーさがすごい。日本人ってすごい真面目で、誠実だと思うんだけど、それがたまに邪魔してるのかなっていうところもある。そこで自分の殻をぶっ壊すというか、海外の同年代の選手と生活したりとかっていうのは、すごい大事かなと思う。

波乗り道場の矜持を

ー一宮町が目指す世界サーフィン保護区について

英義:世界サーフィン保護区は、雑に言うと、世界遺産のサーフィン版みたいな感じ。一宮町だったら波が良いみたいなことで評価されるだけじゃなくて、この町の歴史、文化、山、川などの自然、お祭り、農業とか、そういうものがちゃんと守られて、地元の人たちや、ここに住んでいらっしゃる方たちと一緒にコミュニティが作れてるかみたいなのが、評価されて認定になる。だから、目指すことによって、町全体が良くなるみたいなイメージ。すごく良いこと。

稲葉:すごい良い取り組み、素晴らしいなと思ってて。自分たちやっぱサーファーにとってもありがたいことだし、一宮の町民としてもすごい良いことだと思うんで。東京オリンピックからサーフィン通じて、移り住んできてる方もすごい今増えてると思うんですけど、良くも悪くもっていう感じがあって。やっぱこの取り組みを通じて、一緒に協力して良い町に出来たら良いなって思う。

英義:志田下って波乗道場って呼ばれてる。昔から上手いサーファーが集まって、その場で練習するみたいな文化があって。玲王も言ったけど、海って結構トラブルもあったりするんで、だから志田下も含めて、矜持というかプライドみたいなものを保ちつつ、良い町にしていけたら良いよね。

稲葉:歴史もお祭りもすごいと思う。そういうのを守りながら移り住んでくる方にも、理解してもらえるように自分たちも発信できたら良いかなと思っている。

自身も積極的に語った田中英義JOCナショナルコーチ(右) Photo:Chiaki Sawada

Sリーグ初代年間チャンプへの戦い

ー4月に一宮町でSリーグのグランドファイナル

稲葉:楽しみ。地元の志田下で最終戦を迎えられるのは、こんなドラマあって良いのかみたいな感じだけど。プレッシャーとかはなく、楽しみながら日本のサーフィン業界を盛り上げられるよう自分も頑張って活躍したい。

樹:対抗馬も強者ぞろい。

英義:同率1位がいる。アメリカ生まれ育ちの日本人選手、小林桂さん。めちゃくちゃ上手い。

樹:どっちが先に勝ったか負けたかで勝敗が決まる。相手が勝ち続けてる限りは、自分も勝ち続けないと年間チャンプになれないんで、どっちが先に試合が組まれるかとかでプレッシャー具合とかも関わってくる。楽しい試合になると思う。

「慣れない環境に身を置こう」

質問に立つ全日本選手権チャンピオンの石田海夏さん Photo:Chiaki Sawada

パネルディスカッションが終了すると、稲葉選手は、会場に来たキッズからの質問を受け付けた。

Q 普段の練習で何を意識してサーフィンしてる?

大会シーズン前だったりすると、自分が20分の中でどういう動きをするかとか、どういう波に乗って今の自分で何点だなとか、勝手に知らない人と戦ってみたりとか。オフシーズンだったら自分のやりたい技、エアだったら、ひたすらエアとか、チューブだったらチューブっていうのを出来るだけやるようにしている。

Q 大会前にやることは?

大会前はない。よくみんなルーティンを持ってたりする。でも、ルーティンを作る事によって、それが逆にできなかった時、不安になったりする事もあるので、常に自然体、いつも通りの生活をして挑んでいる。

Q 強いメンタルになるには?

難しいけど、いろんな経験が自分を作ってくれたかなと思うので、安心できない環境に自らをもってったりとか、それはすごく大事かな。慣れない環境に常に自分で入っていくことは、自分を育ててくれると思う。

じゃんけん大会で盛り上がるキッズたち Photo:Chiaki Sawada

Q 努力を継続する心構えは

心構えというよりモチベーションって話なんだけど、自分の目標に対して、どれだけモチベーションと集中力があるか。それが勝手に努力に繋がると思う。

Q 大会で意識してることは?

勝つ。

Q サーフィンで一番大事にしてることは?

やっぱり競技をやってると、自分のメンタルの上げ下げとか、結構色々あるけど、サーフィンって競技、スポーツっていうことの前に、娯楽というか一番楽しめることだと思うから、行き詰まった時とかは、試合に向けたサーフィンじゃなくて、やりたい楽しいサーフィンやったりとか、そういうことで自分のメンタルを保つようにしている。

Q サーフィンのために普段の生活で意識してることは?

食生活は最近やってる。波によって自分の体重とか変動されるんで、試合に対してダイエットしたりとか、身体を大きくしたりっていう部分では結構意識してると思う。

質問コーナー終了後は、稲葉選手が用意したオリジナルTシャツや、発売されたばかりの自著「波をつかめ、夢をつかめ」をプレゼントするじゃんけん大会も開催。地元のオリンピアンを前に、子供たちの笑顔が弾けた。

フィリッペ・トレド戦で、先手を奪った1本目のバレル Photo: ISA/Beatriz Ryder

パリ五輪サーフィン日本代表の稲葉玲王と、波乗りジャパンの田中樹コーチ、田中英義コーチの3人が3月下旬、千葉県一宮町主催の講演会に登壇し、五輪の舞台裏や世界王者フィリッペ・トレド(ブラジル)とマッチアップした際の戦略や、波乗りジャパンのチーム内の雰囲気、日本と海外選手との差など、「今だから言える」話を赤裸々に語った。

一宮町は毎年、教育講演会を開催しているが、サーフィン関連は初めて。例年よりたくさんの子供たちが詰めかけ、稲葉選手の大会やサーフィンに賭ける思い、心構えについて熱心に質問した。

稲葉選手をキッズ時代から知る樹コーチ、英義コーチとともに展開されたパネルトーク「波に乗れ!!」の概要は以下の通り(敬称略)。

約70人の聴衆が訪れた講演会 Photo:Chiaki Sawada

日本になかったサーフコーチという仕事

―サーフィンを始めたきっかけ

稲葉:父親がプロサーファーで、両親が一宮でサーフショップをやってたんで、まあほんとに自然な流れというか、無理やりというか、始めた。 一番最初に乗ったサーフボードは英義君からいただいた中古の板。

英義:自分の父親が玲王にプレゼントして。

樹:サーフィンで日本のチャンピオン、僕は1度だけなって。当時、日本のサーフカルチャーにコーチっていう仕事がなかった。15年前ぐらいから、少しずつ独学で始めて、今こういう経緯になった。

町職員の山口裕之さん(左)含め旧知の仲の4人が登壇した Photo:Chiaki Sawada

ー五輪の日本代表になって

稲葉:あんまり実感はなかったですけど、いろんな人からの応援の声、メッセージが、今まで本当にないぐらいのたくさんの量で、やっぱ嬉しかった。でも、オリンピックという世界が未知過ぎて、モチベーションの持って行き方が、少しわからなかった。

樹:率直に、自分がコーチし始めて、個人コーチとして結構長かった中で、自分が育ててきた選手がオリンピックの選手になるって、自分の誇りでもありますし、自分がやってきたことが間違いじゃなかったっていうのを確信できた時だったので、すごく嬉しかった。とともに、選ばれることが目標ではないので、短い2年の間で、どれだけ詰めていけるか。世界トップの選手が集まるタヒチの波で、どれだけできるかっていう準備を考えることでいっぱいだったという記憶がある。

英義:どうやってメダルを取るか考えていた?

樹:そうですね、一宮町で行われた東京オリンピックとは環境も波も違う。逆に僕は、一宮でやるよりタヒチでやる方が、稲葉選手のメダル取れる可能性は高いと思ったんで。すごくチャンスかなって思ってた。

タヒチの波チェックは20分だけ!

ー五輪までの準備は

樹:まず回数を重ねることが一番重要だと思ったんで、通ってもらうこと。地元の選手に勝つには、みんなと同じ段階の回数までやらしたいなって思ったんで、いろんな波をやってくれと言った。メンタルはそこでやってるうちに自分の中で作り上げていけると思った。

稲葉:体作りもすごく大事で、波がすごく大きいので、あんまり小さい体だと、あの波にやられてしまう。できるだけ体をでかくしたり、パワーアップさせていく。メンタル面はあんまり考えないようにした。とにかくタヒチで経験を積んで、どれだけその海で安心感を持って試合に臨めるかっていうのをやった。

パリ五輪の試合での稲葉と田中樹コーチ Photo: ISA/Beatriz Ryder

-五輪会場の緊張感は

稲葉:選手全員が格上なんで、CT選手とか。そういう今まで対戦したことない相手と戦えるっていう緊張感はあった。

英義:オリンピックだから制約が多い。海に入るまでとか。

樹:波を見る順番が決まってて。普通の大会だったら、海岸に行って自由に目の前の海を見られる。でも、タヒチは船の上からで、行く順番も自分の出番前じゃないと行けなくて、チェックできる時間も20分ぐらいしかなかった。

英義:波チェックってすごいサーフィンの大会で重要。五十嵐カノア選手とか3時間くらい波を見ているという話をしてたけど、それが20分しかできない。

樹:そうです。だから、ジャパンハウスっていう日本のベースでライブ放送を見て、表面的な波のチェックだけをして、サーフボード決めて現場に行って。波の裏側に1人フィールドコーチがいるんで、連携とりながら、20分で「よし、これで行こう」っていうのを決めるっていう、ちょっと普通の試合とは違う緊張感はもちろんあった。

選手は互いにリスペクト

ー波乗りジャパンの雰囲気は

稲葉:コナー・オレアリー、五十嵐カノアはCTでずっと何年も戦ってる選手なんで、やっぱそういうメンバーと一緒にできたのは、良い刺激にもなったし、コナーは小さい頃から知ってるんで、波の乗り方とかポジションの取り方とかも、すごくよく教えてくれたんで、良い経験でしたし、本当に感謝もある。チームとしては、サポートがしっかりあったと思うんで、良い雰囲気で挑めた。

樹:選手同士はすごく良い感じで、お互いをリスペクトし合ってすごく良い関係を築けてたかなというのは感じた。オフの時はみんなでゴルフやったり、ビーチで泳いだり、リラックスした時間を過ごした。夜は決まって同じ場所でみんなで机囲みながら、その日のサーフィンの話だったり意見交換して。2週間3週間一緒に過ごし、有意義な時間だった。サポート的な部分では、まだまだもっと良くしていかなきゃいけないなっていう反省点も含めて、ロスに向けて頑張っていきたい。

「ビビるフィリッペにプレッシャーかけた」

フィリッペに勝利した稲葉のバレル Photo: ISA/Beatriz Ryder

ーラウンド3フィリッペ戦での戦略は

稲葉:フィリッペ・トレドはCTの2年連続(2022、23年)世界チャンピオンで、普段だったら絶対勝てないような、ほんとに格上の選手なんですけど、タヒチの波は割とフィリッペは苦手っていうのは、なんとなくわかってたので、まあこの波だったら勝てるなっていう自信はすごいあって。で、あとは試合の展開として、フィリッペはバックサイドで、チューブの時に(自分のようなグーフィーフッターで)フロントの選手のほうが奥から攻められる、波の奥から攻められるっていう…。

英義:バックサイドだと波に背を向けてるんで、波が見にくいってのもあるし、チューブライディングするのってちょっと難しいよね、バックサイドって。

稲葉:フロントのほうが有利っていうわけではないんですけど、波に乗る時、波を取りに行きやすい。樹君と話し合って最初は絶対奥を取ろうっていう話で。普通の試合だったら、フィリッペ選手が絶対奥に来て波の取り合いになるんですけど、そこはちょっと諦めじゃないけど、ビビってる部分もフィリペにあって、奥を譲ってくれたんで、そこで1本目絶対1番でかいのに来たらいこうっていう風に思ってたんで、そこでプレッシャーかけれたのがすごい良かったかなと思う。

タヒチでの五輪ラウンド1でバレルインする稲葉 Photo: ISA/Beatriz Ryder

樹:戦略はポジション的に奥を取る。奥を取ることによって1本目に良い波にいけるっていう基本的な作戦だった。奥を譲らないで乗れないところまで行っちゃうぐらいの、ポジション争いみたいなことも他のヒートではあった。そこはとことん付き合っていいよと言ってた。まず1本目行くことがすごい大事だっていうところを重点的に説明して。波がその時、どんどん上がってきてた。でかくなってるうちに1本目でかいのにいくことで、すごく向こうにプレッシャーをかけられるなと思って作戦を立てた。すごく良いタイミングで、フィリッペ選手に先行できた。

英義:奥を取るっていうのは、1つの波を奥から乗った者が優先権を得るので、最初に1本目を取ると、優先権が自分に回ってくる順番も1つ増えるので、先手を取るっていうのが大事。

「6’2″ならあの波メイクできた」

樹:今だから言えるけど、その時に僕が1つだけ、ゴリ押ししていけば良かったのは、稲葉選手の1本目、抜けられなかった。板が2インチ短かった。 波が上がる状況の極どい時間帯だったから、6’0″、183cmの板で行ったけど、185cm、もう2インチ長い板でやってれば、もしかしたらあの波メイクできたかもしれない。テイクオフの時点で少し遅れた。波の分厚さと、入り込むタイミングが少し遅れたんで。そういうところも自分が我慢させて「これで行け」って言えば良かったかなとか、反省はある。

英義:僕も見ていて、ちょっと板短いかなって一瞬思った。

稲葉に破れたフィリッペ Photo: ISA/Pablo Jimenez

ー結果は5位タイ。得たものは

稲葉:メダルが見えてたし、メダルを取りに行くつもりでオリンピックに臨んでたんで、本当にすごい悔しい。本当に悔いが残ったなって思う。学んだことは、サーフィンって、その土地によって色んな波があるんで、やっぱ現地に行ってその波に慣れるっていうことが一番大事で、その大事さを更に痛感した。特にああいう波になると経験が一番大事になってくるんで、本当にそこに時間を置く大切さは実感した。

「魔のような7分間」

樹:ワールドツアー回ってる選手でも、感情を露わにする部分が感じられた。ワールドツアーで負けた時以上に悔しがってる選手を見て、やっぱ4年に1度の重さというものがすごく感じられたんで、そこを目指すために4年間どういう風に過ごしてどう準備するのかっていうのが、改めて必要だなと感じた大会だったな。稲葉選手の5位という結果。(QFで勝利に必要だったのは)3点ぐらいの点数。残り7分で必要な3点が、なかなか出せないあの歯痒さ。自分は海の中で何もできない状況、波も来ない。フィールドコーチが一生懸命波を教えてたんですけど、なかなか掴めないっていう、あの魔のような7分間は今も思い出したくない。その状況にならないように何ができたか、また改めて考えて、次に繋げたい。

ー稲葉選手が成長した点は

樹:社交性がちょっと増したなって(笑)。やっぱこういう立場になって人間的に、急にこの4年ぐらいで大人になったなってのはすごく感じた。そういう風にしていかないと、自分の為にならないし、サーフィン界の為にもならないし、地元の一宮町の為にもならないっていうことを勉強して、すごく大人になった。あと、4年に1度の準備の大切さっていうところも含めて真剣に波と向き合う時間が増えたんじゃないかな。現役終わってもすごく大事になってくる部分。参加させていただいたことは良かったんじゃないかなと思って見ていた。

16歳で出る世界との差…殻をぶっ壊せ

和やかな雰囲気でトークする2人 Photo:Chiaki Sawada

ー世界と日本とのサーフィンレベルの違いは

樹:キッズやジュニアの年代は、世界と比べて変わらない、レベル的には。でも、現状、日本人の選手がトップリーグに何人いるのかって話になると、少ない。こういうことを僕が言うのは何ですけど、やっぱ経費というか、サポート面的なお金。サーフィンってすごくお金かかるんで、国がバックアップしたり、いろんなところがバックアップしてくれると、より世界との距離も縮められるのかな。経験をいっぱい積ませてあげられるのかな。そこが叶えば、常時オリンピックでメダル取るとか、トップツアーで回るっていうポテンシャルはすごく日本人ってあると思う。身体能力も高い選手多いし、頭ももちろんいいし。チャンスはあるんで。全部経験。海外の経験をもっとできればいいのかなと思う。

稲葉:子供の頃、小中学生ぐらいまでは世界とのレベルの差ってほぼなくて、むしろ日本人のほうがうまい子多いんじゃないかなっていう感じなんだけど、高校生16歳ぐらいになると、急にいきなり差が出てきたりし始める。理由って何なんだろうっていつも考える。わかんないんけど、自分が思うのは、外国人って、アニマルというか、野獣みたいな。もう何でも100%でやるぞみたいな。やっぱハングリーさがすごい。日本人ってすごい真面目で、誠実だと思うんだけど、それがたまに邪魔してるのかなっていうところもある。そこで自分の殻をぶっ壊すというか、海外の同年代の選手と生活したりとかっていうのは、すごい大事かなと思う。

波乗り道場の矜持を

ー一宮町が目指す世界サーフィン保護区について

英義:世界サーフィン保護区は、雑に言うと、世界遺産のサーフィン版みたいな感じ。一宮町だったら波が良いみたいなことで評価されるだけじゃなくて、この町の歴史、文化、山、川などの自然、お祭り、農業とか、そういうものがちゃんと守られて、地元の人たちや、ここに住んでいらっしゃる方たちと一緒にコミュニティが作れてるかみたいなのが、評価されて認定になる。だから、目指すことによって、町全体が良くなるみたいなイメージ。すごく良いこと。

稲葉:すごい良い取り組み、素晴らしいなと思ってて。自分たちやっぱサーファーにとってもありがたいことだし、一宮の町民としてもすごい良いことだと思うんで。東京オリンピックからサーフィン通じて、移り住んできてる方もすごい今増えてると思うんですけど、良くも悪くもっていう感じがあって。やっぱこの取り組みを通じて、一緒に協力して良い町に出来たら良いなって思う。

英義:志田下って波乗道場って呼ばれてる。昔から上手いサーファーが集まって、その場で練習するみたいな文化があって。玲王も言ったけど、海って結構トラブルもあったりするんで、だから志田下も含めて、矜持というかプライドみたいなものを保ちつつ、良い町にしていけたら良いよね。

稲葉:歴史もお祭りもすごいと思う。そういうのを守りながら移り住んでくる方にも、理解してもらえるように自分たちも発信できたら良いかなと思っている。

自身も積極的に語った田中英義JOCナショナルコーチ(右) Photo:Chiaki Sawada

Sリーグ初代年間チャンプへの戦い

ー4月に一宮町でSリーグのグランドファイナル

稲葉:楽しみ。地元の志田下で最終戦を迎えられるのは、こんなドラマあって良いのかみたいな感じだけど。プレッシャーとかはなく、楽しみながら日本のサーフィン業界を盛り上げられるよう自分も頑張って活躍したい。

樹:対抗馬も強者ぞろい。

英義:同率1位がいる。アメリカ生まれ育ちの日本人選手、小林桂さん。めちゃくちゃ上手い。

樹:どっちが先に勝ったか負けたかで勝敗が決まる。相手が勝ち続けてる限りは、自分も勝ち続けないと年間チャンプになれないんで、どっちが先に試合が組まれるかとかでプレッシャー具合とかも関わってくる。楽しい試合になると思う。

「慣れない環境に身を置こう」

質問に立つ全日本選手権チャンピオンの石田海夏さん Photo:Chiaki Sawada

パネルディスカッションが終了すると、稲葉選手は、会場に来たキッズからの質問を受け付けた。

Q 普段の練習で何を意識してサーフィンしてる?

大会シーズン前だったりすると、自分が20分の中でどういう動きをするかとか、どういう波に乗って今の自分で何点だなとか、勝手に知らない人と戦ってみたりとか。オフシーズンだったら自分のやりたい技、エアだったら、ひたすらエアとか、チューブだったらチューブっていうのを出来るだけやるようにしている。

Q 大会前にやることは?

大会前はない。よくみんなルーティンを持ってたりする。でも、ルーティンを作る事によって、それが逆にできなかった時、不安になったりする事もあるので、常に自然体、いつも通りの生活をして挑んでいる。

Q 強いメンタルになるには?

難しいけど、いろんな経験が自分を作ってくれたかなと思うので、安心できない環境に自らをもってったりとか、それはすごく大事かな。慣れない環境に常に自分で入っていくことは、自分を育ててくれると思う。

じゃんけん大会で盛り上がるキッズたち Photo:Chiaki Sawada

Q 努力を継続する心構えは

心構えというよりモチベーションって話なんだけど、自分の目標に対して、どれだけモチベーションと集中力があるか。それが勝手に努力に繋がると思う。

Q 大会で意識してることは?

勝つ。

Q サーフィンで一番大事にしてることは?

やっぱり競技をやってると、自分のメンタルの上げ下げとか、結構色々あるけど、サーフィンって競技、スポーツっていうことの前に、娯楽というか一番楽しめることだと思うから、行き詰まった時とかは、試合に向けたサーフィンじゃなくて、やりたい楽しいサーフィンやったりとか、そういうことで自分のメンタルを保つようにしている。

Q サーフィンのために普段の生活で意識してることは?

食生活は最近やってる。波によって自分の体重とか変動されるんで、試合に対してダイエットしたりとか、身体を大きくしたりっていう部分では結構意識してると思う。

質問コーナー終了後は、稲葉選手が用意したオリジナルTシャツや、発売されたばかりの自著「波をつかめ、夢をつかめ」をプレゼントするじゃんけん大会も開催。地元のオリンピアンを前に、子供たちの笑顔が弾けた。

最後はみんなで記念撮影 Photo:Chiaki Sawada

(沢田千秋)

引用元
稲葉玲王「フィリッペびびってた」「板が2インチ長ければ」田中樹、英義の両コーチとパリ五輪秘話!

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