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CT第9戦『Corona Open J-Bay』イーサン&タティアナが優勝!五十嵐カノアが3位!
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
1月のパイプラインから始まった2022年CTも終盤に突入。
ミッドシーズンカットを経てメンズ24名、ウィメンズ12名に絞られた後半戦はG-Land、エルサルバドル、ブラジルと続き、J-Bay、タヒチで終了する。
そして、2022年CTランキングのトップ5が「Rip Curl WSL Finals」に進出、9月のローワートラッセルズでワールドタイトルが決定するのだ。
コロナ禍で2年連続で中止されたJ-BayはCTで最も長く美しいライトのポイントブレイクで、1984年にオッキーことマーク・オクルーポが優勝したのを最後にフロントサイドとなるレギュラーフッターが全て制覇していた。
流れが変わったのは2019年で、ガブリエル・メディナとイタロ・フェレイラによる初のグーフィー同士、初のブラジリアン同士のファイナルとなり、ガブリエルが新たな歴史を作った。
今シーズンもその流れは引き継ぎ、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)がウィメンズでは初となるグーフィーフッターでの優勝を達成。
メンズサイドでもヤゴ・ドラ(BRA)、イタロ・フェレイラ(BRA)、コナー・オレアリー(AUS)がファイナルデイまで残り、J-Bayの大きなキャンパスに大きな弧を描いていた。
期間中はビッグスウェルとオフショア、パーフェクトコンディションに恵まれ、ウェイティングピリオド2日目から3日連続で進行して現地時間7月15日に終了。
選手数が少なくなった後半戦とはいえ、CTでは最短の期間で全てのスケジュールを消化した。
五十嵐カノアが3位
ファイナルデイはメンズQFから開始。H2の日本の五十嵐カノアとイタロとの対戦はカノアが主導権を握っていたが、後半にリーシュコードが切れてしまう。ボードが流されて一度岸まで戻っている間にイタロが9.00を出して逆転。カノアはニード7.91に追い込まれた。万事休すと思った終了間際、ビッグターンからバレル、フィニッシュまでメイクしたライディングにジャッジは8.33をコール。カノアは土壇場で逆転を決めた。
次のSFではケリーがMC席に加わる中、グロム時代のチームメイト、ロボことジャック・ロビンソン(AUS)と対戦。後半に逆転されて敗退したものの、今シーズン2番目に良い結果の3位となり、ランキング6位を維持。
5位のグリフィン・コラピント(USA)との差も僅かで、最終戦のタヒチでの逆転にも期待が持てる。
ちなみにこのヒートでイタロは足を負傷。ヒート終了後は助けを借りないと歩けないほどだった。 タヒチ戦までは約1ヶ月。回復を祈りたい。
イーサンがオージーのツートップに君臨
近年、ブラジリアンの強さが際立ったメンズだったが、今年はオージーが台頭している。
エルサルバドル、G-Landと連勝したロボや、ルーキーのカラム・ロブソン、コナー・オレアリーがトップを維持しており、今回優勝したイーサン・ユーイングはランキング3位で2位のロボに迫る勢いだ。
2017年にルーキーとしてCT入りしたシーズンはアンディにスタイルが似ていると言われながらも結果を残せずに僅か1シーズンでQS落ち。しかし、2021年には返り咲きを果たし、2シーズン目となる今年はスタイルだけではなく、アンディが兼ね備えていた強さも身に付けてきた。
ジョーディ・スミス、マシュー・マクギリヴレイとローカルヒーローを抑えてSFではヤゴ・ドラ(BRA)を相手に一本目で9ポイントを出して中盤に7ポイントを2本とコンスタントにスコアを出して勝利。
ロボとのファイナルでも9ポイントと今年のJ-Bayに最も合っていたイーサンだった。
「今年は優勝したジャックやグリフィンのような同世代にインスピレーションを受けている。自分はまだ優勝していなかったけど、プレッシャーはかけてない。ツアーの最初の年は失敗して、返り咲いた昨年はウォーミングアップのようなものだったよ。今年は自分のサーフィンを発揮することが出来て良いシーズンを送っている。J-Bayについてはもっとやるべくことが残っている気がするけど、このイベントで優勝することは夢の一つだったので、本当に嬉しいさ。父親や友人、兄弟のサポートに感謝しているよ」
オージーでは2016年のミック・ファニング以来の優勝。
イーサン自身はCT初優勝で、「Rip Curl WSL Finals」進出やその先のワールドタイトルも見えてきた。
CT第9戦『Corona Open J-Bay』結果
1位 イーサン・ユーイング(AUS)
2位 ジャック・ロビンソン(AUS)
3位 五十嵐カノア(JPN)、ヤゴ・ドラ(BRA)
5位 サミュエル・プーポ(BRA)、イタロ・フェレイラ(BRA)、コナー・オレアリー(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)
2022 Men’s Championship Tour
『Corona Open J-Bay』終了後のランキング
1位 フィリッペ・トレド(BRA) 53,360pt
2位 ジャック・ロビンソン(AUS) 48,025pt
3位 イーサン・ユーイング(AUS) 40,970pt
4位 イタロ・フェレイラ(BRA) 39,130pt
5位 グリフィン・コラピント(USA) 36,800pt
タティアナがグーフィーフッター初制覇
ウィメンズサイドでは冒頭でもお伝えした通り、タティアナが優勝。
SFから始まったファイナルデイでタティアナは「Rip Curl WSL Finals」進出を決めているカリッサ・ムーア(HAW)と対戦。
プライオリティを有効利用してカリッサの後ろから乗ってインターフェアを与え、ファイナルでは復帰したばかりのタイラー・ライト(AUS)を相手に9ポイントを出して完全にゲームを自分のものにしていた。
ウィメンズのグーフィーフッターは現在タティアナとキャロライン・マークス(USA)の2名。
次のタヒチ・チュープーはレフトでフロントサイドが有利とされているため、タティアナが連勝する可能性も十分にある。
更に2024年にはチュープーでパリ五輪が控えており、そこでの金メダルも視野に入れた勝負となるだろう。
「私はバックハンドでのサーフィンが大好きよ。みんな知っていると思うけどね。これだけ上手く進んだのは久々だし、このイベントではリズムと流れを感じていた。楽しんで戦っていたのが、勝因だったのかも。このイベントはパーフェクトな波だったわ。1週間ラインナップをシェアしてくれたローカルに感謝する。最高の波だった。次のチョープーも楽しみ。でも、今はJ-Bayを満喫したい」